「エデイトリアル的な思考」です。
S))いま、情報メディアに起こっているのは本当にそういう交錯で、一見、紙のメディアが衰退しているように見えるけれども、それなら、インターネットのようなメディアにいっぺんに変わってしまうのかというと、決してそういうことではない。
モダン、つまり、マスコミュニケーションというのは紙のメディアから始まって、それから放送に移っていったかもしれないものの、ただ、そうなっても、マスコミュニケーションの主役だったのは依然として紙のメディアで、役割を変えながら生き続けてきたのです。
・テレビは消えてしまう」インターネットは上書きされれば、過去になにが記録されていたのかわからなくなるのです。
「100年に一度」のエキサイティングな時代というわけですね。
S))(大量生産・大量消費を基盤とした)別世紀的なデザイナーの仕事と役割は、今後だいぶ変わっていかざるを得ないでしょう。
けれども、複雑なレイヤーのもと、人と人とがネットワークを通して密接に、深くかかわっていく時代に適応した21世紀的なデザイン能力、あるいは凪世紀的な編集能力をもっている人であれば、その力を発揮できる機会はこれからますます増えていくでしょうし、経営者としてその動きをきちんと捉えることができれば、デザイン会社にはまだまだ可能性があると思います。
21世紀という中世妄新世代の人間復雲ルネサンスであるように見えてきました。
その四世紀的なデザイナーというのはどうあるべきことが求められているのでしょう。
S))深く考えることです。
デザイナーはよく、「個性的」であることが要求されたりします。
その考えは広告の世界にはいまだに根強くて、「デザイナーは刈歳くらいで定年にさせたい」というデザイン会社の経営者もいて、たしかに、根拠なしに人をぱっと驚かせることをデザインに求めるのだとすれば、そういう才能は釦代くらいで枯渇し、消費されて終わりになってしまうのかもしれません。
でも、先ほどから話してきた文脈にならえば、デザインというのは経験を積めば積むほど熟成される世界です。
デザインという仕事を熟成させるには、深く考えるということが欠かせない。
先ほど別世紀のモダンの話をしました。
略?四世紀に産業革命が起きて、その結果としての大量生産大量消費、マスコミュニケーションの別世紀があり、その入口の前後にウィリアム・モリスがいてバウハウスの運動があったわけですが、いま私たちはその別世紀を出た先にいて、そこは情報とコミュニケーションの新しい動きが次々とわき上がっている。
再びそういう大きな転換点に立っているのだと自分たちをとらえれば、(別世紀的な)デザイナーにとっていまは、おもしろくてとても可能性のある時代な「デザイナーズ白書」ソフト・ハード・システム・悩み・生き方・これからのこと、すべてだからどうしてもデザイナーになりたい!「どうしてもデザイナーになりたい!」という人にとって、最近の進・就学、修学、就職事情はどうなっているのだろうか。
高校を卒業していきなりデザイナーデビューというまれな例がなかにはあるだろうけれど(たとえば親がデザイナーや印刷会社経営であったりして)、なんらかの専門教育を受けて業界に就職するというパターンが一般的だろう。
本章次節の「デザイナーズ白書」を見ると、意外にも文科系の四年制大学の卒業者が多いが、これは、そうした大学を卒業して出版社に入り、必要に迫られてDTPを覚えてフリーのライターや編集者に転身、専門教育を受ける。
いつのまにか「デザイナーみたい」になってしまっていたという姿が想像できる。
特色の扱いは専門的な製版知識が必要だが、1色.4色だけの雑誌や書籍中心であれば、見よう見まねでもデザイナーのような仕事に就くことはできる(実際「デザイナーズ白書」にはそうした回答もある)。
こういう状況を生んでしまったことは、DTPのいいところでもあり悪いところでもあるのだが…。
というのは本書の「デザイナーズ白書」の特別な例として、デザイナーへのいちばんの近道は、やはり、専門教育を受けるということになるだろう。
現実の進・就学、学生のプロファイルについてあるデザイン系の専門学校の就職担当者にうかがうと、最近は女子学生が圧倒的に多く、7割とも聞く(美術大学もそうであるらしい)。
理由は、推測だが、デザイナーは不安定な職業であるように見え、したがって、高校の進路指導担当者が積極的に推薦しないのではないか。
絵が好きだとかデザインに興味があるとか、そうした人たちはいつの時代にも一定の割合はいて、彼.彼女らがこれまで専門学校や美術系の大学に進んだ。
そういう人たちは現在でも潜在的にはいるはずなのに、進路指導はそう向けさせないのではないか、と。
それに、デザイナーにしてもイラストレーターにしても漫画家にしても、華々しいのはごく一部のスター級のクリエイターだけであって、そうなるには、下積みを経て、そのうえでさらに、幸運を味方につけ、特別な実力も伴っていなければならないことを、多くの高校生、進路指導担当者、親は知っている(かつてはそれでも、クリエイターを目指した人たちは多かったかくやってみたいという男女の生き方の違いが、この「7割」から垣間見えてくるような気が、しないでもない。
そして、現在の高校は美術教育はもとより、書道、音楽など芸術教育そのものを取得単位からはずしているところも増えてきていると言う。
教育のこうした大きな潮流にあって、それでも「デザインで生きていきたい」という学生のデザインに対する純度は、手堅さを志向する学生とは、やはりちょっと違っているのだろうか。
実際、自分の好きなことを勉強できるし、希望どおりに就職できれば卒業後もずっと続けられるだけに、話をうかがったデザイン系の専門学校にかぎれば、授業の欠席率や退学率は少ないらしい。
気軽に「デザイナーにでもなるか」という時代ではなくなった。
なお、入学者は、高卒が圧倒的に多く、1,2割は、大卒・中退者、社会人(なかには係長クラスも!)であるという。
専門学校や美術系大学ならではの学科やカリキュラ大学全入時代。
だれもが大学に入れる時代であればこそ、進学するなら、男子は大学の手堅い学部や学科を、しかし女子は、むかしから好きだったことをリアルは出版、出版U出版社(雑誌社、書籍出版社)だから、「出版界でデザインを仕事にする」という想像が、高校生くらいだとしにくいこともあるかもしれない。
派手さもないし。
もっとも、学科・カリキュラムの話でとくに印象深かったのは、学生には、Webデザインの人気はそれほど高くないということであった。
Webというのは、家庭にパソコンとデジタルカメラがあればわりと簡単にできてしまう。
高校時代にブログをはじめ、そういう体験を趣味や遊びでひととおりしている学生が多く、入学前に、すでにWebやHTMの面倒くささ、達成感の乏しさ(印刷物のように残るわけではないし、デザインとプログラミングが分業しているので歯車のよう)、技術の進化との永遠の追いかけっこであることを知っているせいか、グラフィックデザイナー志望者は、Webの方になかなか興味がわかないのではないかと言う。
ひとむかし前、WebデザインやHTMがぱっと人気になったときに講座や演習を拡充し、その際はたくさんの受講者があったが、年を経るごとに減少し、いまは少ないままで需給のバランスが取れていると言ムがどのようなプロセスで決まるのか、当事者ではないので詳しい流れを筆者は承知していないが、時代に応じて人気の学科・カリキュラムに変遷があるのは当然だろう。
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